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パーセルによるファンタジア Purcellian Fantasia

ヤン・デ=ハーン Jan de Haan

  • 出版社
    De Haske
  • Grade
    3.5
  • 演奏時間
    11:30
  • 曲想/ジャンル
    パーセルの作品を題材とした自由なスタイルの幻想曲
  • 品番
    GYW00131290
  • 対象
    中学校~高校
  • 用途
    コンサート。コンクール。
  • 演奏に必要な最少人数
    30

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作曲者と作品について

オランダの作曲家/指揮者ヤン・デ=ハーン(1951~)は、弟のヤコブとともに、40年以上にわたりヨーロッパの吹奏楽と金管バンド活動の中心で活躍を続けており、音楽出版社デ・ハスケの創設者として、国際的な音楽ビジネスにおいて大きな役割も果たした(現在は経営から退いている)。作品はごく平易なものから最上級のレベルまであり、そのスタイルも多様だが、ヨーロッパの音楽家らしく、古い音楽形式や作品、特定の音楽文化に立脚した内容のものが多い。曲名が示唆しているように、この《パーセルによるファンタジア》もそのようなコンセプトで書かれた作品。バロック時代に活躍したイギリスの大作曲家ヘンリー・パーセル(1659~1695)が、みずからの庇護者でもあった女王メアリー2世の葬儀(1695年3月)のために作曲した《女王メアリー2世のための葬送音楽》を音楽的素材としている。
《女王メアリー2世のための葬送音楽》は4本のトランペットとドラムからなる器楽パートを伴う合唱のために作曲されているが、冒頭の葬送行進曲は器楽のみで演奏される。この《パーセルによるファンタジア》は、その葬送行進曲をテーマとして構成された作品。テーマはほぼ原曲のとおりに、つまりバロックの様式で演奏されるが(調性も原曲と同じハ短調)、その後は大きく6つの部分に分かれ、それぞれは異なるスタイルをもっている。たとえば、テーマにすぐ続くアレグロはポップス的なドライブ感が特徴。バロック的な気分が回帰するアンダンテを経て、次に現われるのは古典派の葬送行進曲風の音楽、といった具合だ。最後は厳粛さと哀悼の気分を残しつつ、長調に転じて壮大に終わる。全曲はほぼパーセルのテーマによって組立てられてはいるものの、旋律はそのまま使われず、時には分解され、時にはそのキャラクターのみが生かされる。作曲家が「変奏曲」ではなく「ファンタジア」とした所以はこの点にあるといえよう。

指導のポイント

ヨーロッパの吹奏楽作品は、概ね日本やアメリカの作品より演奏時間が長い。この曲も、中級レベルにもかかわらず演奏時間11分を超える。音楽的な一貫性と各部分同士のコントラストを両立させるべき作品でもあるので、曲の全体像を十分に把握してから練習を進めないと、演奏する側にとっても聴き手にとっても、音楽的なまとまりの弱い演奏になってしまう。もちろん、パーセルのオリジナルを鑑賞、研究することも大切だ。パーセルのテーマの変容や各場面の音楽的なスタイルの違いについて分析してみることは、作曲の技術とアイディアを知る上で、バンドのメンバーにとっても得るところ大に違いない。基本的に多くのパートが一緒に動く場面が多い曲なので、音の長さ、ダイナミックスの変化、発音や音の切り口などを揃えることが美しく整った演奏のためのポイントとなるだろう。

◆ 中心となるパート

すべての楽器が等しく役割が与えられているが、トランペットとトロンボーンが特に重要。サクソフォーンはセクションとして目立った働きをする場面が多い。

◆ 主要な楽器の最高音と最低音

フルートの最高音フルートの最高音

クラリネットの最高音クラリネットの最高音

トランペットの最高音トランペットの最高音

トランペットの最高音
(オプション)
トランペットの最高音(オプション)

テューバの最低音テューバの最低音

編成についてのアドバイス

ほぼ標準的な編成だが、ピッコロは使われておらず、ホルンは3パート。バスーン、Ebクラリネット、アルト・クラリネットは省略可能。ユーフォニアムとテューバは分割される場面がある。打楽器は3名でやりくりできるものの、4名いれば余裕をもって演奏できるだろう。バンド全体で30名程度から無理のない演奏が可能。

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