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真実の人生 One True Life

デイヴィッド・ギリングハム David Gillingham

  • 出版社
    C. Alan
  • Grade
    4
  • 演奏時間
    8:00
  • 曲想/ジャンル
    賛美歌による変奏曲
  • 注文番号
    GYW00139611
  • 対象
    高校~一般
  • 用途
    コンクール、コンサート
  • 演奏可能人数
    30

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作曲者と作品について

 多くのすぐれた吹奏楽作品で知られ、 72歳の今日も意欲的に創作を続けているアメリカの作曲家ギリングハム(1947~ )が、 2018年にイリノイ州ワシントン地区高校バンド卒業生の会の委嘱で作曲した作品。この地区で永く吹奏楽指導者として尽力し、 多くの生徒を育てた故フランシス・ホワイタッカーの思い出に捧げられている。
 ギリングハムは賛美歌を素材とした作品を多く書いているが、この曲もイギリスの作曲家レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ(1782~1958)が1906年に作曲した、 万聖節の賛美歌《シネ・ノミネ》をもとにしたもの。
 万聖節(カトリック教会の典礼歴では11月1日)はすべての聖人と殉教者を記念する日で、先に逝ってしまった愛すべき人に思いを馳せる日ともなっている。ホワイタッカーの教え子たちが師を偲ぶために委嘱したこの作品の素材としてギリングハムが万聖節の賛美歌を選んだ理由には、以上のような背景があったようだ。
 曲は《シネ・ノミネ》を主題とした自由な変奏曲とみることができる。興味深いのは、ギリングハムが変奏/展開の素材として主に取り扱っているのが賛美歌の終わりのリフレインの部分であること。このリフレインを動機とした峻厳な序奏ののち、ようやく賛美歌の全体が「主題」としてあたたかく提示され、それに続いて、トッカータ風(フガートを伴う)、コラール風(ふたつの部分に分かれる)、スケルツォ風(後半から主題が再現)、 行進曲風、と形容できる変奏が次々に現われ、最後は故人を偲ぶかのように静かに終わる。
 各場面のキャラクターが明快で、賛美歌そのものの美しさ、あたたかさから、不安で鋭角的な曲想まで、吹奏楽が表現しうる幅広い音楽的な表情が盛り込まれている秀作である。 最後が静かに終わることを厭わなければ、コンクールの自由曲としても好適だろう。

指導のポイント

 すでに述べたように、柔らかさから鋭さまで、あたたかさから冷たさまで、調性から無調まで、音楽の表情はきわめて幅広く、その表情が短いスパンで(時には突然、時には少しずつ)変化する。その変化と対照をいかに演出するかが大きなポイントとなろう。演奏する側の音楽的ヴォキャブラリーの多様さと、それを使い分ける技術が問われる作品である。ギリングハムの他の作品と同様、打楽器がアンサンブルの主導権を握るが、パワーを誇示する曲ではないので、乱暴な印象を与えないように気をつけたい。また、一部シャープ系の調が使用されているので、譜読みは慎重に。

◆ 中心となるパート

フルート&ピッコロ、ホルン、ピアノ、打楽器(特に鍵盤打楽器)。

◆ 主要な楽器の最高音

トランペット主要な楽器の最高音

編成についてのアドバイス

 ほぼ標準的な編成(ホルンは2パート)。2パートのトロンボーンに加えてバス・トロンボーンが使用され、重要な役割を担っている。ピアノは不可欠。打楽器はティンパニと6パートの「パーカッション」、計7名の奏者が要求されており、ブレーキ・ドラムやリボン・クラッシャー(細長く切った鉄板の両端に穴を開け、数枚重ねたもの)など、比較的珍しい楽器も使われている。40名以上での演奏が望ましいが、30名程度から演奏は可能だ。

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