楽譜・商品の詳細

1876年、万国博覧会が開催されたパリには、世界中から金持ちどもが押し寄せ、舞踏会、ルーレット、女、酒、香水にうつつをぬかし、劇場はシャンパンのにおいを漂わせたお客で一杯だった。こうして「パリの生活」の基本方針が生まれた。ざっと見て 2/3がアレグロまたはアレグロ・ヴィヴァーチェのギャロップであり、いかにパリ的景気の良さを売り物にしているかがうかがえる。オッフェンバックのいつもの優しいメランコリーは影をひそめているが、「外国人にとってのパリ」がふんだんに振りまかれる。初演はパリ・ロワイヤル座で行われ、出演者は歌の経験のない役者たちであった。厳しい稽古の末の公演は大成功をおさめ、結局一年間のロングランを果たした。 内容は「パリの生活」を満喫するため、ブラジルの金持ちとスカンジナヴィアの男爵夫人が大騒ぎをするというたわいのないものであるが、フランスの歴史の1ページを切り取った感がある。まさに「小型の大音楽家」オッフェンバックの代表作である。(「楽譜音楽書展望」 村田健司著より)